全世界株はおすすめしないといわれる理由・デメリット6つ!向いている人も紹介
全世界株のインデックスファンド(投資信託)は、特に初心者におすすめと紹介されることが多い金融商品です。1本で世界中の株式に分散投資ができるため、リスクを軽減しながら長期の資産形成に取り組めるといわれています。
ただ、資産形成で活用できる金融商品は全世界株だけではありません。また、インターネット上では「全世界株はおすすめしない・やめとけ」という声もあるため、投資すべきか判断に迷ってしまうでしょう。
将来に向けて長期的な資産形成に取り組むなら、全世界株の特徴や他の金融商品との違いを理解して、自分に向いているかを見極める必要があります。
全世界株はおすすめしないといわれる理由・デメリットは以下の通りです。
- ・米国株の影響を強く受ける(投資先の約6割が米国)
- ・S&P500と比較してリターンが劣る
- ・カントリーリスクの高い国も含まれる可能性がある
- ・全世界株への分散投資がリスクヘッジになるとは限らない
- ・米国株でも米国以外の国の成長利益を享受できる
- ・主な投資先は株式のみで、特定の企業に偏るリスクがある
本記事を読めば、メリットや向いている人の特徴、全世界株以外におすすめの投資先も分かりますので、ぜひ参考にしてください。
※本記事に記載されている内容のうち、当社サービス以外の個別の商品・銘柄・企業名については、あくまでも参考として掲載しているものであり、当社はその商品、銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。 最終的な投資の実行は、ご自身の判断と責任の下で行っていただくようにお願いいたします。
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※2:2024年9月末時点
目次
おさらい|そもそも全世界株とは?
全世界株とは、その名通り全世界(日本を含む先進国や新興国)の株式のことです。「オルカン(オール・カントリー)」という略称で呼ばれることもあります。多くの場合、全世界株のインデックスファンド(代表的な株価指数に連動した成果を目指す投資信託)を指します。1本で世界中の株式に分散投資できるのが特徴です。
代表的な銘柄には、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」があります。「投信ブロガーが選ぶ!FUND OF THE YEAR 2023」において第1位に選ばれました。また、2023年にはネット証券最大手のSBI証券において投資信託の販売金額ランキング第1位となるなど、多くの個人投資家から支持されています。
※参考:SBI証券
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)は、全世界株の株価指数である「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果を目指して運用されます。以下は、基準価額の推移とトータルリターンです。
※引用:SBI証券
※2024年9月6日時点
※引用:SBI証券
2018年10月31日に基準価額10,000円で運用が開始され、2024年9月6日には23,856円まで上昇しています。
2024年9月6日現在、トータルリターンは期間1年21.16%、3年15.78%、5年19.22%と好成績を残しています(数値はいずれも年率)。トータルリターンとは、一定期間内にファンドへの投資から得られる総合収益です。値上がり益だけでなく、分配金なども加味して計算されます。
なお、投資信託には特定の株価指数との連動を目指す「インデックスファンド」と、指数を上回る運用成果を目指す「アクティブファンド」の2種類があります。両者の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
※関連記事:インデックスファンドとアクティブファンドの違いを比較!向いている人も紹介
全世界株はおすすめしないといわれる理由・デメリット
米国株の影響を強く受ける(投資先の約6割が米国)
以下は、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」の対象国・地域の構成比率です。
※引用:SBI証券
米国が全体の63.8%を占めており、次いで日本5.5%、イギリス3.4%、フランス・カナダ2.8%となっています。世界の先進国・新興国の株式で構成されていますが、米国以外の国・地域の構成比率は米国に比べて高くありません。もちろん銘柄にもよりますが、全世界株で分散投資をしても、米国株の値動きに強く影響を受ける可能性があるため、米国株とあまり変わらないともいえるでしょう。
全世界株で米国株の影響を和らげたい場合は、不動産など株式以外の投資先にも目を向けてみるのも選択肢の一つです。
S&P500と比較してリターンが劣る
インデックスファンドを活用した資産形成において、全世界株とよく比較されるのが「S&P500」です。
S&P500とは、米国を代表する株価指数の一つです。米国の上場企業500銘柄で構成されており、米国株式市場全体の動きを表す指数として注目されています。S&P500のインデックスファンドを購入すれば、米国市場全体に分散投資が可能です。
※参考:SBI証券
S&P500の代表的な銘柄に「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」があります。2023年には、SBI証券において投資信託の販売金額ランキング第2位を記録しました。
※参考:SBI証券
以下は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」のファンド比較結果です。
※引用:三菱UFJアセットマネジメント
値動きは似ていますが、S&P500は全体的に全世界株を上回るパフォーマンスを残しています。
2024年9月6日現在、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のトータルリターンは以下の通りです。
※引用:SBI証券
期間1年24.15%、3年19.11%、5年22.66%で、いずれもeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)を上回る成績を残しています(数値はいずれも年率)。
そのため、とにかく高いリターンを目指すのであれば、全世界株よりもS&P500のほうが狙えるかもしれません。
カントリーリスクの高い国も含まれる可能性がある
カントリーリスクとは、投資対象となる国や地域において、政治・経済情勢の変化や新たな取引規制、国内関係の緊張、戦争などの影響を受けるリスクのことです。
※参考:投資信託協会
たとえば、投資信託に組み入れられている国で政治・経済情勢が不安定になると、その国の株価が下落して基準価額が想定以上に下落する恐れがあります。先進国に比べると、新興国は政治体制や経済状況などが不安定でカントリーリスクが高い傾向にあります。
全世界株の投資対象には、銘柄によっては新興国の株式も含まれます。投資対象国でクーデター(武力で政権を奪うこと)や戦争などが起こった場合、株価が下落して全世界株の基準価額も下がるかもしれません。
新興国株式への投資を避けたいなら、先ほど紹介したS&P500をはじめ、TOPIX(東証株価指数)、先進国株式などのインデックスファンドに投資するのも選択肢といえます。
全世界株への分散投資がリスクヘッジになるとは限らない
資産運用の世界では、1つの資産だけに投資するよりも、国内外の複数の資産・銘柄に投資先を分散してリスクを抑えるのが基本です。
※参考:金融庁
しかし、全世界株で世界中の株式に分散投資をしても、リスクヘッジになるとは限りません。
以下は、1999年~2022年の全世界株と米国株の暦年リターンの比較です。全世界株は「MSCI オールカントリー・ワールド・インデックス(配当込み・円ベース)」、米国株は「S&P500(配当込み・円ベース)」をもとに算出しています。
※引用:SBI証券
リーマンショックが発生した2008年の下落率は全世界株53.1%、米国株48.8%です。どちらも大きく下げましたが、下落率は全世界株が上回っています。
2011年には、欧州債務危機をきっかけに全世界株が12.1%下落しました。一方、米国株は3.2%の下落にとどまっています。欧州債務危機とは、2009年にギリシャが政府財政収支について虚偽の報告を行っていたことをきっかけに、ユーロ圏の財政危機の懸念が拡大した問題です。安全資産とされている国債への信頼が揺らいだことによって経済不安が広がり、投資家がリスク回避の姿勢を強めたため株価下落につながりました。
※参考:SBI証券
※参考:日本経済新聞
また、2018年には「米国の長期金利上昇」と「米中貿易摩擦」を背景に、世界同時株安が起きました。下落率は全世界株11.8%、米国株6.9%です。金利が上昇すると、企業の資金調達コスト(借入金の利息)が増加するため、株価は下落する傾向にあります。
※参考:日本取引所グループ
米中貿易摩擦については、投資家が「世界経済のリスク」と捉えて警戒感が広がったことが要因と考えられます。米国が株価下落の要因を作ったにもかかわらず、全世界株のほうが値下がりしました。
※参考:NHK
リスク低減のために全世界株に分散投資を行うなら、S&P500とどちらがよいか十分に検討する必要があるでしょう。
米国株でも米国以外の国の成長利益を享受できる
新興国も含めた世界経済全体の成長に期待して、全世界株への投資を検討する人もいるでしょう。しかし、S&P500を構成するグローバル企業には、米国以外の国や地域(新興国を含む)で全体の4割以上の売上があります。
以下は、S&P500時価ウェイト上位銘柄の米国以外での売上高比率(2020年度決算)です。
※引用:SBI証券
上位20社の単純平均は約43%で、中には米国以外の売上高比率が70%を超える企業もあります。そのため、S&P500に投資すれば、間接的に新興国を含めた米国以外の国や地域へ分散投資をしていることになります。
米国株でも新興国を含めた世界の成長利益を享受できるなら、「相対的にリターンの低い全世界株に投資する必要はない」と考えることもできるでしょう。
主な投資先は株式のみで、特定の企業に偏るリスクがある
全世界株の主な投資先は株式のみで、債券や不動産、金などの資産には基本的に投資できません。リスク低減を図るなら、株式以外の資産に投資を行うことも有効です。
各資産クラス間の相関係数は以下の通りです。
※引用:SBI証券
相関係数とは、資産同士の値動きの連動性を示す数値で、1から-1の範囲で表されます。1に近づくほど価格は同じ方向に、-1に近づくほど反対の方向に動くことを意味します。リスク分散効果を得るには、相関係数が低い資産を組み合わせるのが有効です。
※参考:GPIF(年金積立金管理運用法人)
全世界株(世界株式)の場合、世界債券や金との相関性が低いため、併せて保有すると安定的な運用を期待できるでしょう。相関係数が0.4~0.7なら中程度の相関と判断されるため、世界REIT(不動産)への分散投資も選択肢となります。
また、全世界株の指数(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスなど)は、株式の時価総額の大きさに応じて組み入れられる銘柄の割合が変わります。時価総額の大きい企業への投資割合が増えるため、株式市場の状況などによっては、投資先が特定の企業に偏ってしまうかもしれません。その企業で急な業績悪化やトラブルなどのネガティブな出来事が発生した場合、株価が下落して世界株の価格に影響を与える可能性があります。
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※1:2024年2月末時点で運用中の当社組成ファンドの想定利回りの平均値
※2:2024年9月末時点
全世界株の主なメリット
全世界株をうまく活用すれば、初心者でも時間や手間をかけずに長期の資産形成に取り組めるでしょう。ここでは、全世界株が向いているかの判断材料として主なメリットを紹介します。
難しい投資判断がいらず手間がかからない
全世界株のインデックスファンドを1本保有するだけで、日本を含む世界中の株式に分散投資ができます。MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに連動するファンドの場合、世界の株式市場の時価総額上位約85%をカバーしています。
※参考:myINDEX
投資対象銘柄は時価総額の変化に応じて自動的に調整されるので、自分で資産・銘柄の割合を調整する必要はありません。難しい投資判断がいらないため、初心者でも投資を続けやすいでしょう。
世界の経済成長によるリターンを取り込める
世界経済の名目GDPと世界株の値動きの推移は以下の通りです。
※引用:三菱UFJアセットマネジメント
全世界株の値動きは、世界経済の成長に合わせて上昇傾向にあります。そのため、全世界株に投資することによって、世界の経済成長によるリターンを享受できるといえるでしょう。
IMFの世界経済見通し(2024年7月改定版)によれば、世界GDPの成長率は2024年3.2%、2025年3.3%と予測されています。そのため、全世界株は今後も上昇が期待できるでしょう。
※参考:IMF
全世界株がおすすめ・向いている人
ここまでデメリットとメリットの両方を見ても「自分は全世界株への投資に向いているのか」と疑問を感じた人のために、おすすめ・向いている人を簡単に紹介します。
手間をかけずに運用したい人
全世界株のインデックスファンドを1本保有するだけで、世界の株式市場の大部分を網羅できるのは大きな魅力です。世界の株式市場は経済状況などによって日々変化しますが、投資国・地域や銘柄の構成比率は時価総額に応じて自動的に調整されます。
株式だけに投資するのであれば、投資先の割合を定期的に見直す手間を減らせます。
手間がかからないおすすめの投資方法を知りたい方は、下記記事をご参照ください。
※関連記事:ほったらかし投資におすすめの投資方法比較7選!運用益のシミュレーション付
長期的な運用期間を確保できる人
全世界株を含め、投資信託は分散投資を基本としている商品です。価格変動幅が個別株などよりも小さいため、まとまった資産を作るには5~10年単位の長期的な運用期間が必要となる傾向にあります。
たとえば、1999年~2022年の全世界株の累積リターンは年率5.9%です。
※参考:SBI証券
<100万円を年率5.9%で複利運用した場合のシミュレーション結果>
運用期間 |
運用資産額 |
利益 |
1年 |
1,059,000円 |
59,000円 |
3年 |
1,187,648円 |
187,648円 |
5年 |
1,331,925円 |
331,925円 |
10年 |
1,774,024円 |
774,024円 |
15年 |
2,362,868円 |
1,362,868円 |
20年 |
3,147,163円 |
2,147,163円 |
25年 |
4,191,785円 |
3,191,785円 |
30年 |
5,583,144円 |
4,583,144円 |
※参考:三菱UFJアセットマネジメント「一括投資シミュレーション」にて試算
長く運用を続けると、複利の効果が大きくなって資産が増えやすくなります。複利とは、投資で得た利益を当初の元本に組み入れて運用を続けることで得られる利益のことです。
※参考:金融庁
1年の利益が59,000円のため、単純計算すると10年で利益は590,000円になります。しかし、上記のシミュレーションでは複利で運用しているため、10年の利益は774,024円となっています。
このように、長く運用を続けるほど複利の効果は大きくなるため、全世界株は長期的な運用期間を確保できる人におすすめです。また、世界中の株式に分散投資を行うため、個別株投資に比べると安定した運用が期待できます。
全世界株を始める際のコツ・注意点
全世界株を始める際のコツ・注意点を知っておくと、全世界株を購入して失敗するリスクを抑えられます。
全世界株の銘柄は一本に絞る
リスク分散のために、全世界株の銘柄を複数保有するか迷っている人もいるでしょう。しかし、全世界株の銘柄を組み合わせても、リスク分散効果は期待できません。
仮にA社、B社、C社の全世界株インデックスファンドを保有した場合、どのファンドも基本的に全世界株の指数との連動を目指して運用されるため、投資対象国・地域の構成比率はどのファンドもほぼ同じです。「米国株が約6割」「先進国と新興国の比率は9:1」はそのままで、投資先の比率はほとんど変わらないため、複数銘柄を保有する意味はあまりないといえるでしょう。
※参考:ZAi(ザイ)
また、投資信託を複数保有すると、管理に手間がかかるデメリットもあります。全世界株に投資するなら、銘柄は1本に絞るのがおすすめです。
一時的に値下がりしても焦って売却しない
全世界株の値動きは、世界経済の成長とともに上昇傾向にありますが、短期では日々上下を繰り返しています。また、リーマンショックやコロナショックなど、過去には大きく下落する場面もありました。
一時的な値下がりに動揺し、焦って売却してしまうと資産を増やすのは難しくなります。短期の値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で保有を続けることが大切です。
一時的な値下がりに動揺しないためには、定期的に一定額を購入する積立投資(ドルコスト平均法)が有効です。長期的に毎月一定額を買い続けると、基準価額が高いときは少ない口数を、基準価額が低いときは多い口数を購入することになるため、結果的に1口あたりの購入価格を下げる効果が期待できます。
※引用:SBI証券
一時的に値下がりしているときも積立投資を続ければ、平均購入単価が下がるため、将来値上がりしたときの利益が大きくなります。長期の資産形成に取り組むなら、一括投資だけでなく積立投資も組み合わせるといいでしょう。
株式以外の資産にも投資する
全世界株の投資先は、基本的に株式のみです。株式は比較的値動きが大きい資産のため、一時的な値下がりで保有資産の価値が大きく目減りする恐れがあります。
保有資産の値動きを安定させるには、債券や不動産、金など株式以外の資産も組み合わせるのが有効です。先ほども紹介したように、債券と金は全世界株との相関性が低く、不動産も中程度の相関性であるため、分散投資先として活用できるでしょう。
債券投資について詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。
※関連記事:債券投資は意味ないといわれる理由!向いていない人・失敗事例も紹介
金投資について詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。
※関連記事:金投資はおすすめしないといわれる理由・デメリット!向いていない人も紹介
全世界株とS&P500はどちらに投資すべき?
全世界株への投資を検討する際に、「S&P500のほうがよいのでは?」と迷う人もいるでしょう。ここでは、全世界株とS&P500について、それぞれおすすめ・向いている人の特徴を紹介します。
できるだけリスクを抑えたいなら「全世界株」
S&P500は米国株だけが投資対象ですが、全世界株は日本や米国を含めた世界中の株式に分散投資できます。これまで米国株は好調に推移してきましたが、今後も値上がりが続く保証はありません。経済が低迷して株価が暴落する可能性もあるため、できるだけリスクを抑えて運用したいなら全世界株がおすすめです。
先述の通り、全世界株は米国株が約6割を占めているため、このまま米国経済が好調に推移した場合は、S&P500には及ばなくてもある程度のリターンは期待できるでしょう。
少しでも高いリターンを狙うなら「S&P500」
先述の通り、S&P500は全世界株を上回るパフォーマンスを残しています。また、米国は世界最大の経済大国であり、今後もしばらくは世界をリードしていく可能性が高いといえます。今後も米国経済は成長していくと考え、少しでも高いリターンを目指すなら、全世界株よりもS&P500が向いているでしょう。
ただし、投資先が米国株に集中するため、米国の政治・経済情勢などに値動きが左右されやすい点には注意が必要です。
ハイリターンが期待できる投資手法を知りたい方は、下記記事をご参照ください。
※関連記事:少額投資でハイリターンが期待できる投資手法3選比較!運用時のコツも紹介
補足|全世界株とS&P500の両方に投資するのもあり
全世界株とS&P500のどちらにするか、どうしても決められないなら両方に投資するのも選択肢の一つです。迷って投資を先延ばしにすると、収益を得られる機会を逃してしまいます。
全世界株とS&P500は投資信託を活用するため、どちらを選んでも複数の銘柄に分散投資ができます。また、これまでの実績ではS&P500が上回っていますが、全世界株も銘柄によっては米国株が約6割を占めているため、両者の値動きは似ているといえます。
まずは両方に投資してみて、しばらく様子を見た後にどちらか一方に絞ってもいいでしょう。
全世界株以外に投資するなら「不動産クラウドファンディング」がおすすめ
リスク分散効果を高めるために、全世界株以外の投資先として不動産を検討するなら不動産クラウドファンディングがおすすめです。
不動産クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の投資家から資金を集め、その資金をもとに不動産投資を行うサービスです。
1万円程度の少額から不動産へ投資ができ、投資金額に応じて定期的に分配金を受け取れます。
後述の比較表で紹介しますが、不動産クラウドファンディングでは投資信託(全世界株を含む)と違って、劣後出資などの元本割れの対策が用意されているファンドが多いです。
不動産クラウドファンディングと投資信託(全世界株を含む)を比較した内容を下記表にまとめました。
※下記表の「〇」「△」「×」は、不動産クラウドファンディングと投資信託を比較した際の優劣を端的に表しています
|
不動産クラウドファンディング |
投資信託 |
特徴 |
不動産特定共同事業法に基づいて |
投資家から集めた資金を |
メリット |
元本割れの対策(劣後出資)が |
流動性が高い |
デメリット |
流動性が低い |
元本割れ対策はない |
換金性 |
△ |
〇 |
市場規模 |
約1007.8億円※2 |
約345兆円 |
分散投資のしやすさ |
△ |
〇 |
管理の手間 |
〇 |
△ |
NISAの対応 |
× |
〇 |
向いている人 |
損失リスクを下げたい人 |
1つのファンドで分散投資したい人 |
※1:不動産クラウドファンディングは元本保証されているわけではありません
※2:国土交通省
※3:投資信託協会
不動産クラウドファンディングでは元本割れへの対策が講じられているファンドが多く存在します。投資信託に同様の仕組みはありません。
不動産クラウドファンディングは優先劣後構造が採用されているため、万が一損失が発生した際の被害を最小限に抑えられます。優先劣後構造とは、共同出資している不動産クラウドファンディング会社の出資額を優先的に損失の補填に当てる仕組みです。
損失額が不動産クラウドファンディング会社の出資額に収まる場合、投資家が損失を被ることはありません。ただし、不動産クラウドファンディングのなかには優先劣後出資を採用していないものもあるため、投資する際は必ず商品の概要をチェックしましょう。
上記より、特に下記に該当する方は投資信託よりも不動産クラウドファンディングでの投資をおすすめします。
- ・損失リスクを下げたい人
- ・売却タイミングを自分で決めるのが面倒くさく感じる人
不動産クラウドファンディングの仕組みなどをより詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。
※関連記事:不動産クラウドファンディングとは?仕組み・他の不動産投資商品との比較表付き
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※2:2024年9月末時点
まとめ|全世界株はおすすめしないといわれる理由・デメリット
全世界株のインデックスファンドは、1本で日本を含めた世界中の株式に分散投資ができるため、初心者でも始めやすい商品です。しかし、次のような理由で「全世界株はおすすめしない」といわれることがあります。
- ・米国株の影響を強く受ける(投資先の約6割が米国)
- ・S&P500と比較してリターンが劣る
- ・カントリーリスクの高い国も含まれる可能性がある
- ・全世界株への分散投資がリスクヘッジになるとは限らない
- ・米国株でも米国以外の国の成長利益を享受できる
- ・主な投資先は株式のみで、特定の企業に偏るリスクがある
1本の投資信託で手間をかけずに運用したいなら、全世界株はおすすめです。しかし、上記のようなデメリットがあることを理解したうえで、投資判断を行う必要があります。より高いリターンを狙うなら、S&P500への投資も選択肢となるでしょう。
また、全世界株やS&P500は主な投資先が株式のみのため、株価下落で保有資産の価値が大きく目減りするリスクがあります。より安定した運用を目指すなら、不動産など他の資産クラスへの分散投資も選択肢の一つです。
不動産クラウドファンディングなら、1万円程度の少額から不動産へ投資ができ、投資金額に応じて定期的に分配金を受け取れます。投資信託とは異なり、劣後出資などの元本割れの対策が用意されているのもメリットです。全世界株に投資するなら、投資先として不動産クラウドファンディングも検討してみてはいかがでしょうか。
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また、多くのファンドに当社も5%程度の劣後出資をしています。不動産価値の下落が起きた場合は、まず当社の出資分から損失の負担が生じる仕組みになっているため、リスクを抑えながら不動産への投資が可能です。
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