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今、話題の不動産投資クラウドファンディングとは?基礎知識編

2019/9/4

新しい資産運用方法として注目を集めている不動産投資クラウドファンディングについて2回に渡り解説していきます。

今回は基礎知識編として、クラウドファンディングの種類や拡大している市場について、またソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)との違いなどを解説していきます。

クラウドファンディング(Crowdfunding)とは?

クラウドファンディングとは、Crowd(群衆) + Funding(資金調達)という2つの単語を組み合わせた造語です。
新しいサービスについてのアイデアや新規プロジェクトを検討している営業者(企業や店舗等)が、インターネットを通じて不特定多数の賛同者(投資家)を呼びかけ、共感した人から広く資金を集める方法です。
クラウドファンディングで資金を集める方法は、営業者(企業や店舗等)と賛同者(投資家)のそれぞれにメリットがあります。
まず、営業者(企業や店舗等)は契約や事業に同意する賛同者(投資家)をインターネットを介して広く見つけることによって、銀行からの借入や大口の出資者を見つけずとも資金の調達が可能となります。インターネットを使えば全世界に向けて情報発信をすることも容易にできます。
賛同者(投資家)側のメリットは、自身が応援したいプロジェクトや、共感する事業に出資(支援)することで、金銭の配当や新商品のサービスといったリターンを受け取ります。後述しますが、リターンは様々な形があり、リターンの種類によってクラウドファンディングの分類が可能です。
クラウドファンディングは、資金を必要とする側と投資する側のそれぞれに大きなメリットがあり、全世界で市場は成長を見せています。

クラウドファンディングの分類

一口にクラウドファンディングと言っても、その内容やリターンの種類によって分類されています。
クラウドファンディングは、大別すると金銭的リターンを求める「投資型クラウドファンディング」と、CAMPFIRE(キャンプファイアー)やMakuake(マクアケ)といった金銭的リターンを求めないものに大別されます。
日本でクラウドファンディングというとこの、「購入型」「寄付型」のものを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
不動産投資クラウドファンディングは、リターンが金銭になる「投資型」に分類されます。

クラウドファンディングの4つの分類

投資型クラウドファンディングは、さらに貸付型(ソーシャルレンディング)とファンド型(不動産投資クラウドファンディング)の2つに分類されます。

貸付型クラウドファンディング(別名:ソーシャルレンディング)

クラウドファンディング事業者が、資金を必要とする法人・個人に対して、集めたお金を「貸付」の方法で提供をするクラウドファンディングです。資金を必要とする法人・個人に、クラウドファンディングで投資家から集めた資金を貸付の方法で融資します。投資家は、貸付の際に上乗せされた金利をリターンとして受け取ります。別名では「ソーシャルレンディング」とも呼ばれます。

ファンド型クラウドファンディング (別名:不動産投資クラウドファンディング)

クラウドファンディング事業者が、実際に不動産を購入するのに必要な資金を集めるために行うクラウドファンディングです。投資家は、不動産収益(賃貸時の「家賃収益」、売却時の「売却益」)をリターンとして受け取ります。このような形で不動産購入のための資金調達を目的としたクラウドファンディングを「不動産投資クラウドファンディング」と呼びます。

リターンが金銭でないクラウドファンディングは以下の2つに分類されます。

購入型クラウドファンディング

新商品や、サービスの開発に必要な資金を集めるクラウドファンディングです。事業者はその資金で商品やサービスを開発し、投資家はリターンとして新商品やサービスの特典などを受け取ります。投資の目的は金銭的なリターンではなく、商品開発や新規サービスを開発する事業者やクリエーターなどによく利用されています。

寄付型クラウドファンディング

物品や金銭などのリターンを得ることを目的としておらず、純粋な寄付としての意味合いが強いクラウドファンディングです。投資家が投じた資金の全額は寄付金の扱いとなり、災害支援のチャリティやNPO団体への寄付などが中心となっています。
2011年の東日本大震災時に寄付型クラウドファンディングのプロジェクトが立ち上げられたことで話題となりました。

日本と世界におけるクラウドファンディングの市場概況

国内・国外におけるクラウドファンディングの市場は、現在ではどのような状況になっているのでしょうか。

日本のクラウドファンディング市場

日本のクラウドファンディング市場では、投資型クラウドファンディング(ファンド型・貸付型)が大半を占め、成長率も高いです。2014年度から2018年度にかけての市場規模は8.5倍に拡大しており、金額にして1,700億円を超える勢いです。
投資対象として、投資型クラウドファンディングが一般の投資家に浸透している状況と言えます。

※出展:㈱矢野経済研究所「2018年版国内クラウドファンディング市場動向」

世界のクラウドファンディング市場

海外では、日本以上に投資型クラウドファンディングがポピュラーな資金調達の手段になっています。2015年の時点で、世界の市場規模は約334億ドル(約4兆円)に達しています。その中でもアメリカを中心した北米で約170億ドル(約2兆円)、およそ50%のシェアを占めています。北米についで大きい市場が中国を中心とした東アジアで、規模は金額にして約105億ドル(約1兆円)。ヨーロッパの約65億ドル(約7,000億円)を上回っています。

ソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)で起きた問題点

ソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)では、市場の成長にともなって数々の問題点が顕在化しています。
具体的にどのような問題が発生しているのか、確認してみましょう。

投資家に十分な情報の開示が行われていない

ソーシャルレンディングの最大の問題点は、融資先の企業名などの情報が投資家に十分な形で提供されていないことです。この問題は、貸倒れになった際のインターネット上の不特定多数の投資家からの無秩序な取り立てを防止するという趣旨で、行政当局からの指導により借入人の複数化、匿名化が求められていたことが背景にあります。しかし、融資先が匿名であることを逆手に取り、返済の見込みがほとんどない事業者に融資を行っていたり、親会社の資金調達部門としてソーシャルレンディング会社が利用されていた、などの事例がありました。
その結果、数々のソーシャルレンディング会社で返済遅延や貸倒れが発生しています。
事態を見かねた金融庁は、2019年3月18日に一定の条件を満たすことを前提に、ソーシャルレンディングの匿名性の解除を認めました。しかし、全てのソーシャルレンディング会社が匿名化の解除を行ったわけではなく、投資家のリスクは依然として存在しています。

行政処分を受ける業者が続出している

ソーシャルレンディング各社の事業者リスクも存在しています。ソーシャルレンディング会社の中にはここ数年で事業を開始したばかりで、十分な経営実績を積んでいない会社もあります。
上述の通り、不十分な情報開示で許されていた状況もあいまって、経営者が投資家から集めた資金を個人的な返済にあてていたり、政治献金にあてていたりした事例などもあります。また、担保に虚偽の表記を行っていたなどの事例もあります。この結果、金融庁から行政処分を受け、業務を停止する状態に陥るソーシャルレンディング会社も存在します。

不動産投資クラウドファンディングは投資案件の情報開示が明瞭にできる

ソーシャルレンディングと不動産投資クラウドファンディングの一番の違いは、情報の開示量と言っても過言ではありません。
不動産投資クラウドファンディングは、国土交通省の管轄となっており、不動産特定共同事業法(電子取引業務)に則って運営されます。
不動産特定共同事業法を遵守して運営している限り、投資対象物件の詳細な情報を投資家に開示することが可能となります。

まとめ

日本においても投資型クラウドファンディングは、近年急激に市場規模が拡大しています。
資金調達の手段が増えたことで多くの事業者と投資家の双方にメリットが生まれているからです。しかし、それに伴って情報の匿名性などを利用した悪質な業者の存在など、様々な問題が表面化しているのも確かです。
投資対象や事業者リスクを考慮した上で、投資することが大切になります。