投資家インタビュー(桐谷広人様)|金儲けではなく優待で人生を楽しむ

※ファンドへの投資申込を行う際は、事前に詳細を十分に確認し、リスクを理解した上でのご決定をお願いいたします。投資後は"ほったらかし"で運用することが可能ですが、運用状況の確認のため、定期的にログインしていただくことをお勧めいたします。
※本記事に記載されている内容のうち、当社サービス以外の個別の商品・銘柄・企業名については、あくまでも参考として掲載しているものであり、当社はその商品、銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。 最終的な投資の実行は、ご自身の判断と責任の下で行っていただくようにお願いいたします。

プロフィール

・お名前:桐谷広人様(優待投資家)
・主な投資歴経験:株式投資

※本記事に記載されている情報は2024年12月16日時点のものです

自己紹介

桐谷広人様 インタビューの様子

私は広島県竹原市出身で、10月15日に後期高齢者(75歳)になりました。竹原市は昔人口が4万人くらいいたのですが、今は2万人程度しかいません。そんな町で、18歳まで過ごしました。

18歳のときにプロ棋士になるために東京に出てきましたが、最初はお金がもらえなくて親の仕送りもありません。将棋会館に住み込んで雑用しながら将棋の修行をしていました。当時は20歳までに初段にならないとクビという年齢制限があり、21歳の誕生日の半年ほど前に初段になり年齢制限での退会を免れました。

25歳のときにやっとプロ棋士になると給料が出ますし、将棋の先生としていろいろなところに教えにも行きました。29歳のときには、東京証券協和会という団体が主催する将棋部の師範にもなりました。

東京証券協和会は東京の証券会社が集まった団体で、証券マンなら無料で将棋クラブに行って将棋を指せたのです。私は月に1回将棋を指導するために行っていました。ただ、当時は証券マン=ギャンブラーのように思っていましたから、証券マンと深く付き合おうとはしていませんでしたね。

投資を始めたきっかけ

桐谷広人様 インタビューの様子

当時住んでいた阿佐ヶ谷にある証券会社の支店に、将棋好きな証券マンが支店長に着任したことがきっかけです。その支店長の上司に将棋を教えていた縁から会うことになりまして、お茶菓子とかをご馳走になりました。何かお返ししなくてはと思いまして、ある株(西華産業)を1,000株25万円くらいで買ったのです。当時は「株はギャンブルだからやらない」と思っていたのですけれど…。

その株が1か月もしないうちに30万円くらいになりました。何も働かないで儲けていいのかと思いましたけれど、ちょうどバブルの時代で株がどんどんと上がっていたので、他に買った株も含めて1億円くらい儲かりました。バブルのピーク時は金融資産が2億円くらいあったと思います。

ただ、信用取引に力を入れたこととかバブル崩壊の影響で、結局1億円以上も損してしまいましたね…。

お気に入りの株主優待ベスト3

桐谷広人様 インタビューの様子

1.松竹
2.クリエイト・レストランツ・ホールディングス
3.アルペン

松竹

松竹の優待では、スクリーンが9つもあるMOVIX川口という映画館で映画を観られます。様々な映画がやっていますから、ほとんどの映画会社の映画を観られますね。川口まで自転車で行っています。だから、『月曜から夜ふかし』のロケでも、川口によく行ってますよ。

クリエイト・レストランツ・ホールディングス

クリエイト・レストランツ・ホールディングスの優待券は4%程度しか利回りがないですが、使えるお店がたくさんあります。

たとえば、

・きづなすし(寿司屋)
・雛鮨(寿司屋)
・しゃぶ菜(しゃぶしゃぶ屋)
・かごの屋(和食レストラン)
・鉄板二百℃(鉄板焼き屋)
・磯丸水産
・サンジェルマン(パン屋)

などです。日本全国では900店舗以上で使えます。

これだけおいしい料理や食べたことのない料理を優待によっていっぱい食べられるので、優待を導入したときから株価が10倍くらいになっていますね。

アルペン

アルペンの優待では川口市にアウトレット店があり、様々な服や靴などが定価の10分の1ぐらいで買えることもあります。株価は買ったときの倍以上になりましたけど、株を売ろうとは思わなかったですね。

ちなみに今着ている上着はヒマラヤで、これも優待で買ったものです。この服はタカキューという紳士服専門店で買ったもので、ズボンもタカキューで買いましたね。私が身に着けているものの携帯電話以外は、全部優待品なんですよ。

最近のおすすめの優待

桐谷広人様 インタビューの様子

1.バロックジャパンリミテッド
2.南陽
3.大石産業

バロックジャパンリミテッド

バロックジャパンリミテッドはずっと配当をやっていて、2,000円の優待券も年2回配布していますから、総合利回りが10%程度になります

2,000円の優待券はお店で使えるし、送料無料でインターネットでも買い物ができますよ。今は株価が700円台ですけれど、2016年は公募価格が2,000円でした。そこから下がってきてすぐに優待を始めたので、1,000円台で買いました。

南陽

南陽の株価は配当が4%以上もあります。優待としても年に1回、毎年3月に1,000円のクオカードがもらえて、株を3年以上持っていたら1,500円のクオカードになります。もし3年以上持っていたら、金券優待で6%程度の利回りがありますよ。

ちなみに株価はもともと1,104円でしたが、2024年2月8日に1株を2株にする株式分割を発表しました。新しい100株が今までの100株の優待と同じだったので、金額が2分の1でよくなったのです。

大石産業

大石産業の優待では、毎年3月に1,000円のクオカードをくれます。また5年以上持っていたらクオカードの金額が2,000円、10年以上持っていたら3,000円になるのです。

ちなみに南陽と同様、株価はもともと2,000円くらいでしたが、2024年9月19日に適時開示情報で、同社は1株を2株にという株式分割を発表してくれました。

株を売る際のルールは「頻繁に売り買いする銘柄は決めておく」

桐谷広人様 インタビューの様子

私が億単位の損失を出して失敗したのは船井電機です。同社の株は高いときで100株300万円くらいしていましたが、120万円くらいまで下がったタイミングで、頻繁に売買していました。

そしたらSBI証券が1日1,000万円買っても100万円買っても、信用取引の手数料を同じ1,000円(2008年当時)にしたので、信用取引で買いが下がっていったのです。結局株価が100株4万円くらいまで下がって、7~8,000万円くらいの損失が出ました。自分は買いが下がると、どんどん意地になるところがあるのです。

そこで今買っているルネサス エレクトロニクスのように、2,070円で売って2,000円で買い戻す、2,000円で買い戻したものを2,050円になったら売る、2,000円で売って1,950円になったらまた買うという具合に、あらかじめ頻繫に売り買いする銘柄を決めることにしたのです。

投資関連で影響を受けた人は「岩崎日出俊さん」

岩崎日出俊さんの画像

※引用:English Lab

岩崎日出俊さんは昔リーマン・ブラザーズ証券に勤めていた方で、今は経営コンサルタント・投資家として活動しています。

岩崎さんは2008年11月25日に『リーマン恐慌』という本を出していて、この本は自分の反省材料みたいな本です。その本には、結局アマチュアの投資家はいつも売買していると最後はやられて、元の木阿弥になることが多いと書かれています。毎日株価を追っていると、結局は人生を失ってしまうという意味です。あと、いかに投資家が酷い目にあったかも書いてあるから共感します。

※引用:Amazon

また、彼のブログ※も参考になります。彼は立派な人で、投資においていい影響を受けました。信用取引を止めたのも、彼の影響が大きかったですね。
※参考:Hidetoshi Iwasaki’s Blog

資産運用での印象的なエピソード(失敗例)

桐谷広人様 インタビューの様子

どんどん調子に乗って信用取引を行ったことです。ちょっと株で儲けると、もっと大きく儲けてやれという気持ちになってギャンブル的な取引をやってしまうのです…。

私はバブル崩壊とリーマン・ショックで、ショックを受けてから値上がりを追求しない優待投資に切り替えました。講演でも言っているのは「値上がりを狙うことは、狩りをしているようなものですよ」と。

猛獣狩りに行くと、うまくライフルで撃ってやっつけると肉も毛皮も得られるけれど、弾が外れると逆に襲われてしまって、場合によっては瀕死の重傷を受けます。若くて元気なうちはいいですけれど、基本的にやめたほうがいいです。

優待株投資はすぐには儲からないですよ。株を買って優待の権利日が来て、その2~3ヶ月後に優待品が届くのですから、農業と同じです。でも、手順さえ覚えれば、誰でも儲けられるのが優待株です。しかも、優待株は少額資金のほうが利回りが高いのですよ。

実際の投資先と運用実績※主に写真のみ

桐谷様の実際の投資先と運用実績

・海帆(3133)
・エーザイ(4523)
・ルネサスエレクトロニクス(6723)
※写真より抜粋

桐谷様の実際の投資先と運用実績

・デ・ウエスタン・セラピテクス研究所(4576)
・Hamee(3134)
・鳥越製粉(2009)
・ユーピーアール(7065)
・アクシージア(4936)
・MIXI(2121)
・セイファート(9213)
・ガイアックス(3775)
・グッドコムアセット(3475)
※写真より抜粋

桐谷様の実際の投資先と運用実績

・ホクリヨウ(1384)
・ミライト・ワン(1417)
・タマホーム(1419)
・サンヨーホームズ(1420)
・ファーストコーポレーション(1430)
・robot home(1435)
・グリーンエナジー&カンパニー(1436)
・キャンディル(1446)
・中外鉱業(1491)
・マテリアルグループ(156A)
・グリーンモンスター(157A)
・INPEX(1605)
・レオス・キャピタルワークス(165A)
※写真より抜粋

桐谷様の実際の投資先と運用実績

・サンヨーホームズ(1420)
・INPEX(1605)
・ビーアールホールディングス(1726)
・日本ハウスホールディングス(1873)
※写真より抜粋

桐谷様の実際の投資先と運用実績

・篠崎屋(2926)
・日本ケミファ(4539)
・市進ホールディングス(4645)
・髙島屋(8233)
・東海東京フィナンシャル・ホールディングス(8616)
・あかつき本社(8737)
・ベルーナ(9997)
・AFC-HDアムスライフサイエンス(2927)
・ジェイグループホールディングス(3063)
※写真より抜粋

桐谷様の実際の投資先と運用実績

・フェイス(4295)
・ウチヤマホールディングス(6059)
・一蔵(6186)
・ジャパンインベストメントアドバイザー(7172)
・あいちフィナンシャルグループ(7389)
・タカキュー(8166)
・三谷産業(8285)
・AVANTIA(8904)
・スターツプロシード投資法人(8979)
※写真より抜粋

優待情報がびっしりと書かれた「優待ノート」

桐谷広人様 インタビューの様子

優待ノートは毎日夕方に新しい優待情報をつけています。

以前は新しい優待が1日平均で1.5くらい出ていました。最近は新たな優待がどんどん増えていて、優待の適時開示情報が2024年10月は多い日で1日10銘柄も、11月は1日20銘柄くらいも出た日があります。

最近はノートに整理するだけで3時間くらいかかることもありますが、公募がいくらか、今までの高値はいくらかなどもしっかりと書いています。

このノートのおかげで、ボケ防止につながっていますし、それなりに成果も出ていますからね。

資産運用に関する学習方法や情報収集のやり方

桐谷広人様 インタビューの様子

ネットでも情報収集をしますけれど、主に見ているのは優待です。

よく聞く話ですが、会社四季報が出るとすぐにそれを買って、ばあっと数日間読み込んで売買すると儲かるらしいです。私は会社四季報とか会社の業績適時開示情報は優待のところしか見ないですけれど、業績とか配当のところを1日数百も出る適時開示情報を読み込むと、それだけで株価が上がる株がわかるらしいです。

ただ、私は年齢も75だし、値上がりで大儲けしようという意欲もないし、元気もないから、自分が見るのは優待の情報だけです。

あと、かすみちゃん※1やみきまるさん※2という優待投資仲間のブログは見ますけれど、値上がりを狙う投資家のブログとかは見ないですね。
※1:かすみちゃんの株主優待日記
※2:みきまるの優待バリュー株日誌

CREALのサービスの印象は「社会的な信用がある」

桐谷広人様 インタビューの様子

やはり上場企業という点は良いですね。

今まで数年間運用されていて元本割れもなく、社会的な信用もあり、1万円から投資ができるのは魅力的です。

CREALはREITとは異なり、日々の価格の変動がなく投資後はほったらかしで、年利5%前後の配当金がもらえるのがよいですね。銀行預金では利息がほとんどないような時代ですので、これを機に私も前向きに考えてみたいと思います。

正直私はクリアルさんのことを知りませんでしたけれど、業績も毎年大きく成長しており、グロース市場でも勢いのある銘柄だなと感じました。

私は日々SBI証券で株式取引を行っているのですが、クリアルさんがSBIホールディングスと資本業務提携をしていると伺い、とても安心感を覚えました

これも信頼できるポイントの一つですね。

不動産投資は怖いけど暴落はチャンス

桐谷広人様 インタビューの様子

2018年に起きたかぼちゃの馬車事件※で、不動産投資は怖いと感じるようになりました。当時スルガ銀行が無茶苦茶叩かれて、株が安くなったので、私はスルガ銀行の株を買って利益が出ています。
※サラリーマンなどの不動産投資家が騙された巨大不正融資事件

だから、やはり株価の調子が悪いときに買うのがいいのです。かぼちゃの馬車自体は無茶苦茶ですけれど、不正融資などをやっていたスルガ銀行も悪いです。スルガ銀行の株価は下がったけれど、私は暴落はチャンスだと思って買いました。結局少額しか買っていないけれど、値上がりのパーセンテージとしてはすごいものがありますね。

不動産は買ったことがないですけれど、最近も講演に行くと不動産業界の人は景気が良くて利益が出ているような雰囲気でした。バブル崩壊とかの時期が悪い年は株でも不動産でも失敗しますけれど、長い目で見るとずっと上がっていますからね。

ただ、バブル期のほとんど最後の時期にあった大きな不動産会社は、残念なことにバブル崩壊の2年後くらいに潰れてしまいました…。だから、やはり買うタイミングが失敗するとダメだとは思いますね。

リートは株よりも安全だと思う

桐谷広人様 インタビューの様子

リートは30銘柄程度持っています。

株はリーマン・ショックのときに紙切れになって何十社も潰れました。ただ、リートは潰れたのもあったけれど、紙切れにならずにお金を戻してもらったリートもありました。だから、リートは株よりも安全なのかなと思っていますね。

あと、何年か前ですけど、リートは高配当でしたね。だから、リートは買ってから1つも売っていないです。ずっと買ったままで、最近もリートが年初来の安値をつけたとかいわれると、ちょこちょこ買っています。

これから投資を検討している方へのメッセージ

桐谷広人様 インタビューの様子

投資は優待がいいと実感しています。

日本人は少し前まで7人に1人しか株式投資をやってなくて、最近は新NISAの関係で増えてきましたが、まだまだ株式投資をやらない人のほうが多いです。ですから、優待株の分散投資なら比較的安全で、自分のためにも日本経済のためにもなるし、ボケ防止にもなります。こういうことを講演でも広めていきたいです。

新NISAは利益に税金がかからないいい制度ですが、借金してやるのはダメです。余裕のあるお金があればやるべきで、その中でも優待株の分散投資がいいです。お金を儲けようではなくて、優待で人生を楽しむ姿勢でやることが結果的に儲かると思います。私も儲けよう、儲けようと思ったときは成功と失敗の繰り返しでした。

昔買っていないものは儲からない、とにかく信用取引でたくさん買うのがいいのだと思って、どんどん買ったらバブル崩壊で大損したという体験があります。

株式投資をやったときから、私は常に分散を心がけていました。当時はインターネットが出る前の時代ですから、分散すると目が届かなくなるから、せいぜい5~10銘柄程度がいいという風潮もありました。ただ、自分は分散しているほうがいいと考えて、結果的にリーマン・ショックのときも死なずに済んだのです。

あと、優待がもらえる最小単位を持ってるほうが優待利回りが高いです。配当はたくさん持ってれば株数に応じてたくさん配当がもらえますが、株主優待は日本独自の制度で、何株持っていてももらえる優待は同じというのが多いですからね。

桐谷広人様のインタビューは以上です。
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